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第1章 ■男子だらけの高校へ■　【碧里編】

　柳瀬は、碧里に対して自然に接してくれる数少ない男子のうちの一人だった。

　入学から約二年が経過した今なお、碧里にちょっとエッチなイタズラを仕掛けてきたり、下らぬちょっかいを出してくる男子は少なくないのだ。

　そういう行為をせず、普通に接してくれる柳瀬ら一部男子とは、碧里は気のおけない友人関係を築くことができていた。

　そんな一部男子の中でも、入学時からずっと同じクラスで来た柳瀬とは、碧里は特に仲が良かったといえる。



　それから他の男子たちとも挨拶を交わした碧里。

　高校生活が残り一年となってしまったことに、「時が経つのは早いなぁ」と一抹の寂しさを感じつつ、碧里は担任教諭が教室に到着するのを待っていた。