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第45章 体育祭～借り物競争～　【美緒編】

　そして、借り物競争がスタートした。

　選手たちは紙を手に取り、読むや否や、観戦スペースや教師たちの待機スペースへ走り寄り、色々なモノを借りてから、ゴールを目指す。

　これが意外と生徒たちに大受けとなり、美緒も例に漏れず、大いに楽しむことに。

　特に、Ｂ組の矢上が「メガネ」と書かれた紙を引き、これまで一度も生徒の前でメガネを外したことがない教頭からメガネを拝借したときには、グラウンド中から大きな歓声が上がって盛り上がった。

　矢上は１着を逃したのだが、一番目立ったので、実に満足げだ。

　矢上が胡桃と交際していることを聞かされている美緒にとっては、楽しげな二人の様子を見られたことで、自分までも楽しい気分となった。

　ところが、次のレースでそんな気分が一気に暗転することに。