この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
潮騒
第11章 正一郎の帰還 ー白波ー
めっきり遅くなった朝日の薄明かりの中、二人の身体は乾いた互いの体液で白くなっている。

菊乃はそろそろと立ち上がり、単衣の腰紐を結び、着物を羽織った格好で、音を立てぬ様、そろそろと階下に降り、土間の水瓶から、昨夜の炊事に使った残り水を汲んで、手拭いを絞り、また二階に上がった。手拭いを絞っただけでも、冷たい水が赤切れの指に染みた。

二人の身体を丁寧に拭くと、冷たさに身が引き締まる。
そして単衣を整えると、窓を開けて情交のあとのすえた臭いを追い出す。
キンとした冬の冷たい空気が、籠った臭いを洗ってくれるような気がした。

正一郎も起きて着物を着ると、顔を洗いに階下に降りて行った。
向かいの窓からは見えぬ位置で、郁男に乳をやり、再び寝かすと、二人の布団はすぐに押入れにはしまわず、畳の上に広げた。

階下で朝食用の飯を炊き、隣で湯を沸かして味噌汁を作る。
飯が炊き上がる頃、家族が起きてきた。

耕太郎不在の今は、正一郎が家長だ。
正一郎、浩二郎、良太郎、ヨシ、タエ、タエの子の喜美子、そして自分の順で膳を並べ、箸を付ける頃には正一郎はもう食べ終えて席を立っている。

以前と何も変わらぬ、朝の情景だった。
/167ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ