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潮騒
第14章 終戦 ー崩れ波ー
秋の深まる頃、村から汽車で二時間ほどのところにある港に復員船が着くという噂を聞き、居ても立ってもいられず、啓三もヨシと耕太郎に預け、ひとり様子を見に行った菊乃だったが、行きと帰りの汽車もすごい人で、潰されそうな混み様だった。
後で聞いた所によると、実際に圧死者がでた汽車もあるらしい。
そんな大変な思いをしても正一郎や家族の消息は掴めず、菊乃は肩を落として帰宅した。

旅券代も馬鹿にはならず、次に船が来ると聞いても、港には行けなかった。

何度、船が来ると聞いた頃だったか、年も越し、冬の凍てつく朝…

朝食の支度に、釜戸の火をおこしていた菊乃に、

「おぅ。」

と、まるで散歩から帰ったかのような軽い声を掛けた男。

正一郎だった。
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