この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
潮騒
第14章 終戦 ー崩れ波ー
「浩二郎さん!」
「ただいま、菊乃さん。タエはまだ寝とるやろ?じき起きてくるやろけど、まだ起こさんでええよ。先に風呂入りたいんやけど、お願いでけんかな?」
「今沸かしとる! 寒いやろ、はよ中入って、火にあたりな!ちょっと待っとってや!」
まずは二人に昨日の残り飯を握って食べさせ、風呂の具合を見に行った。五右衛門風呂なので、上は冷たいが混ぜるとちょうど良い頃合いになる。
「新湯やないけど、とりあえず身体温めて。上がる頃にはご飯炊けると思うから。」
二人で入るよう促し、合間に釜戸の火を見て、薪を足したり火かき棒で薪の山を崩して火を均したりしながら整え、バタバタと忙しなく二階に上がり、押入れから正一郎の着物を引っ張り出して、二人の着替えを用意した。
膳を並べていると耕太郎が起きてくる。
「なんや騒がしいな」
向かいの棟から喜美子も起きてきた。
「朝から誰がお風呂入ってんの?」
「お義父さん、きみちゃん、正一郎さんと浩二郎さんが帰ってきたで!」
「ただいま、菊乃さん。タエはまだ寝とるやろ?じき起きてくるやろけど、まだ起こさんでええよ。先に風呂入りたいんやけど、お願いでけんかな?」
「今沸かしとる! 寒いやろ、はよ中入って、火にあたりな!ちょっと待っとってや!」
まずは二人に昨日の残り飯を握って食べさせ、風呂の具合を見に行った。五右衛門風呂なので、上は冷たいが混ぜるとちょうど良い頃合いになる。
「新湯やないけど、とりあえず身体温めて。上がる頃にはご飯炊けると思うから。」
二人で入るよう促し、合間に釜戸の火を見て、薪を足したり火かき棒で薪の山を崩して火を均したりしながら整え、バタバタと忙しなく二階に上がり、押入れから正一郎の着物を引っ張り出して、二人の着替えを用意した。
膳を並べていると耕太郎が起きてくる。
「なんや騒がしいな」
向かいの棟から喜美子も起きてきた。
「朝から誰がお風呂入ってんの?」
「お義父さん、きみちゃん、正一郎さんと浩二郎さんが帰ってきたで!」