この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
潮騒
第15章 食卓の風景 ー波間ー
朝沸かした、まだ温かい風呂に盥を持込み、正一郎と浩二郎の軍服とゲートルを洗濯する。

冬場は井戸水で洗うのが大層だったが、洗濯の為に湯を沸かすなど勿体ないと言われる。そしていつもなら、夜入った風呂は朝には冷たくなっていて、井戸端も風呂場も大して変わらぬ寒さだ。

だが今日ばかりは、温かい残り湯で洗濯できるので、菊乃は嬉しかった。
臭う服を盥の湯に漬け、石鹸をつけて洗う。
汚れて傷んだ生地は洗濯板で擦ると更に傷みが酷くなるが、捨てるわけにもいかぬ。

出来ることならもう着てほしくない。
二度と着る機会がありませんように。
何時でも着られるように、ではなく、押し入れに仕舞い込む為に、綺麗にするのだ。
そう思いながら丁寧に洗った。

耕太郎は干した藁を砧で丁寧に打ち、撚って縄や草鞋を編む。菊乃も手が空けば手伝うことがあったが、やはり長年培った勘と、歳はとっても男の力なのか、耕太郎の撚った縄や草鞋はしっかりとして、菊乃が見よう見まねで作ったものよりずっと長持ちした。
正一郎と浩二郎は、休み休みとはいえ、夜通し歩いてさすがに疲れたようで、腹がくちくなると寝てしまった。
昼時になり、菊乃は昼飯の準備をした。
/167ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ