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潮騒
第5章 初夜 ー満潮ー
正一郎は更に激昂するかと思いきや、腹を抱えて笑い出す。
「お前…度胸だけは一人前やの。お前みたいな女知らんわ。俺にそんなこと言うた女、お前が初めてや」
ゴホゴホとむせ込む菊乃には、正一郎が何でそんなに笑っているのか訳がわからなかった。
正一郎はひとしきり笑うと、笑い過ぎて涙が滲んだようで、眦をつっと拭う。
「よぅ解った。お前の事、満足さしたる。覚悟しとけよ?」
なぜ満足に覚悟が必要なのか、菊乃にはさっぱりわからなかったが、ニヤっと不敵に笑む正一郎は、結構な男前に見えた。
「おら、帰るど!」
バン!と腰を叩かれ、よろめきながら共に歩いた。
「お前…度胸だけは一人前やの。お前みたいな女知らんわ。俺にそんなこと言うた女、お前が初めてや」
ゴホゴホとむせ込む菊乃には、正一郎が何でそんなに笑っているのか訳がわからなかった。
正一郎はひとしきり笑うと、笑い過ぎて涙が滲んだようで、眦をつっと拭う。
「よぅ解った。お前の事、満足さしたる。覚悟しとけよ?」
なぜ満足に覚悟が必要なのか、菊乃にはさっぱりわからなかったが、ニヤっと不敵に笑む正一郎は、結構な男前に見えた。
「おら、帰るど!」
バン!と腰を叩かれ、よろめきながら共に歩いた。