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潮騒
第6章 日常 ー寄せ波ー
そのうち、タエが浩二郎の子を孕み、ただでさえ何もせぬ上に我儘放題の女が更につけ上がる。
手に負えぬようになった頃には、子を産むのに婚家では気を使うと実家に帰ってしまった。
嘘を付け、気なんぞ使こた事ないくせに、と独りごち、二度と帰ってくるなと心の中で吐き捨て、その反面、嫁した者は実家の門を跨ぐなと門前払いを喰らった己に対し、タエには帰る場所がまだあるのだと、羨ましく思った。
立て続けにチヨの縁談が決まり、チヨが家を出て行った。
五月蝿いのが二人も一気に居なくなると、清々する反面、なにやら張り合いも無くなってしまう。
とは言え、チヨの婚家は実家の目と鼻の先で、何かと言えばすぐに帰ってくるのだが。
手に負えぬようになった頃には、子を産むのに婚家では気を使うと実家に帰ってしまった。
嘘を付け、気なんぞ使こた事ないくせに、と独りごち、二度と帰ってくるなと心の中で吐き捨て、その反面、嫁した者は実家の門を跨ぐなと門前払いを喰らった己に対し、タエには帰る場所がまだあるのだと、羨ましく思った。
立て続けにチヨの縁談が決まり、チヨが家を出て行った。
五月蝿いのが二人も一気に居なくなると、清々する反面、なにやら張り合いも無くなってしまう。
とは言え、チヨの婚家は実家の目と鼻の先で、何かと言えばすぐに帰ってくるのだが。