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潮騒
第7章 衝撃 ー時化ー
聞き覚えのある大きな声が遠くから聞こえ、菊乃はハッと我に返った。
「おぉ〜い!げんじろう!げんじろうの家のモン誰かおらんかぁ⁉︎」
その声に対して、正一郎の、
「ここや!何や⁉︎」
という呼応が聞こえた。
「エラいこっちゃ!ツヨ坊が!」
そうや、剛志‼︎
剛志を探しに来たはずが、すっかり頭から抜けていた。
「私も居りますッ‼︎」
正一郎と菊乃が、声の主の元に駆けつけたのは、ほぼ同時だった。正一郎の従兄弟の太一(たいち)だ。
「遊んどるうちに用水路に落ちたらしい!浮いとるのを浩二郎が見つけて、慌てて皆で引き上げたんやが、もう…」
厳しい顔でかぶりを振る太一に、菊乃の血の気が引く。
「菊乃、お前見とらんかったんか⁉︎」
正一郎に問い詰められても、菊乃は真っ青な顔で震えるばかりだった…
「おぉ〜い!げんじろう!げんじろうの家のモン誰かおらんかぁ⁉︎」
その声に対して、正一郎の、
「ここや!何や⁉︎」
という呼応が聞こえた。
「エラいこっちゃ!ツヨ坊が!」
そうや、剛志‼︎
剛志を探しに来たはずが、すっかり頭から抜けていた。
「私も居りますッ‼︎」
正一郎と菊乃が、声の主の元に駆けつけたのは、ほぼ同時だった。正一郎の従兄弟の太一(たいち)だ。
「遊んどるうちに用水路に落ちたらしい!浮いとるのを浩二郎が見つけて、慌てて皆で引き上げたんやが、もう…」
厳しい顔でかぶりを振る太一に、菊乃の血の気が引く。
「菊乃、お前見とらんかったんか⁉︎」
正一郎に問い詰められても、菊乃は真っ青な顔で震えるばかりだった…