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潮騒
第9章 正一郎 不在の夏 ー大時化ー
「菊乃、家のことは任せたぞ。」

「神戸で女遊びなんかしたら許さんからな?」

「阿呆、働きに行くのにそんな暇あるか!」

明日出立する、という夜。
正一郎は菊乃を抱き、幾度も攻め立て、名残を惜しんだ。

「せっぱり稼いでくるわ‼︎」

翌朝、大きく手を振って、始発の汽車に乗り、一路神戸へ向かう正一郎。

菊乃は微笑んで、留守居役を引き受ける。

菊乃に、二回目の懐妊の兆候が出るまでには、それからひと月もかからなかった。

やはり悪阻は軽く、今まで通りの家事をこなす菊乃。

産婆の話では、この分では産まれるのは来年の夏だろう、ということだった。

夏…

海女にとって、夏は書き入れ時。
その夏に海に入れぬのは、収入的に厳しいものがある。
正一郎に手紙を書いた。懐妊を知らせるとともに、時期的に夏にかかるから、今年は夏の収入が見込めぬことも相談する。正一郎からは仕方ない、その分俺が稼ぐから元気な子を産め、と返ってきた。
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