この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
潮騒
第9章 正一郎 不在の夏 ー大時化ー
「そうは問屋が卸さんで…」

ポツリと呟く。
ここで獲物に執心して、命を落としたら唯の犬死や。
私は、生きる為に稼ぐんやから。

人目のあるところで、皆に止められながらでも、お産は病と違うて、姑にキツう言われたら従うしかあらへんのや、と皆の同情を引くくらいしてもええやろ。

鬼姑と呼ばせたるからな!

浜に降りると、菊乃の姿を見た者は皆一様に目を見開く。

「お前…気は確かか?」

「何しにそんな格好しとんのや」

浜辺で流木を焚き、暖を取る男衆が居た。
ひと潜りし冷えた身体を温めるのだ。

「お義母さんに、お産は病と違う、休む暇あったら鮑のひとつも獲って来いて言われて…」

その言葉に声を掛けてきた男は、握り飯を頬張ったまま呆れた顔をする。

「なんとまぁ…」

「自分の娘がそないなこと言われたら村中にふれ回る癖にの!」

二人目を見合わせ、口の中の飯を嚥下した。
/167ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ