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潮騒
第10章 出産 ー高波ー
「うわぁ!大丈夫か!」
「産まれてしもた!兄ちゃん代わるわ!兄ちゃんお湯沸かして!産湯やから温めに、量は盥にいっぱい!」
「分かった!」
小吉は釜戸に、近くにあった鍋を据え、手早く火をつける準備をすると、庭に走って井戸水を汲んできた。
それを入れて火をつけ、またすぐに庭から洗濯用の大きな盥を持ってくる。
タツノは布で赤ん坊を包んだ。
まだ臍の緒が付いているので菊乃と紐で繋がったような状態だ。
「イヤ、この子、息してないよ!兄ちゃんお湯早よして‼︎」
「今やりよる‼︎」
小吉はもう一つの釜戸口にも鍋を据え、湯を少し移して火をつけた。
また井戸から水を汲んで来て二杯目を沸かし始める。
「まだ温いけど、一回目や!」
ザアッと盥に温い湯が入り、タツノは布ごと赤ん坊をつけて洗った。
「産まれてしもた!兄ちゃん代わるわ!兄ちゃんお湯沸かして!産湯やから温めに、量は盥にいっぱい!」
「分かった!」
小吉は釜戸に、近くにあった鍋を据え、手早く火をつける準備をすると、庭に走って井戸水を汲んできた。
それを入れて火をつけ、またすぐに庭から洗濯用の大きな盥を持ってくる。
タツノは布で赤ん坊を包んだ。
まだ臍の緒が付いているので菊乃と紐で繋がったような状態だ。
「イヤ、この子、息してないよ!兄ちゃんお湯早よして‼︎」
「今やりよる‼︎」
小吉はもう一つの釜戸口にも鍋を据え、湯を少し移して火をつけた。
また井戸から水を汲んで来て二杯目を沸かし始める。
「まだ温いけど、一回目や!」
ザアッと盥に温い湯が入り、タツノは布ごと赤ん坊をつけて洗った。