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潮騒
第10章 出産 ー高波ー
「なんの騒ぎや⁉︎」
「おばさん、居ったんかいな!何回も呼んだのに!」
タツノが非難染みた金切り声を出すと、ヨシは眉根を寄せ、
「聞こえなんだわ」
と迷惑そうな声で返す。
「菊乃ちゃん!今子が産まれたで!」
ヨシは興味なさそうに土間を一瞥し、
「汚い…そないに家汚して…菊乃!あんたあとちゃんと掃除しときや!洗濯もやで!」
ふいと顔を背け、「あぁ臭い…」
と鼻を摘んで下がっていった。
「なんやアレ…」
あまりの言葉に小吉は口を開け、
「信じられへん!子供産んだ嫁にいう事かアレが!」
タツノは怒りのあまり地団駄を踏む。
「いつものコトや…」
力なく笑う菊乃に、泣きそうになりながら、
「菊乃、あんたエラいとこに嫁ってもうたなぁ…」
菊乃の手を握って泣いた。
「おばさん、居ったんかいな!何回も呼んだのに!」
タツノが非難染みた金切り声を出すと、ヨシは眉根を寄せ、
「聞こえなんだわ」
と迷惑そうな声で返す。
「菊乃ちゃん!今子が産まれたで!」
ヨシは興味なさそうに土間を一瞥し、
「汚い…そないに家汚して…菊乃!あんたあとちゃんと掃除しときや!洗濯もやで!」
ふいと顔を背け、「あぁ臭い…」
と鼻を摘んで下がっていった。
「なんやアレ…」
あまりの言葉に小吉は口を開け、
「信じられへん!子供産んだ嫁にいう事かアレが!」
タツノは怒りのあまり地団駄を踏む。
「いつものコトや…」
力なく笑う菊乃に、泣きそうになりながら、
「菊乃、あんたエラいとこに嫁ってもうたなぁ…」
菊乃の手を握って泣いた。