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第13章 涙で滲む夜

「店長も理由教えてくれなくてやっと教えてくれたのは家庭の事情って事だけでさ！」
「うん…」

元気のない雅に陽は顔をのぞき込んで聞いた。

「どうしたの？」
「実はね…私…引っ越して…」
「引っ越し？」
「うん。」
「おばさん達…何かあったの？」
「そうじゃなくて…お見合いがあって…」

『あっ』と思い出したような陽。そんな事言ってたな…と思い出した陽を見て小さく口角をあげるように笑った雅。

「嬉しそうじゃないね…お見合い相手嫌な奴なの？」
「そうじゃないよ？凄く良い人。」