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まほろばマボロシ~仮初めの結婚~
第13章 涙で滲む夜
「クスクス…」

その様子を見ながら結翔は笑ってオムライスを頬張っていた。
席に着いた雅に目をやると結翔は切り出した。

『あのさ』『あの』

しかしタイミングというか、間は悪いもの。結翔の切り口と雅の切り出しがぴったりと重なった。

「あの…先にどうぞ」
「雅からいいよ」
「結翔さんから…」
「そう?なら…」

そうして結翔は一呼吸置いて雅に切り出した。

「今日和と会ったんでしょ?どうだった?」
「あ…」
「ん?どうした?」
「カラオケ行ってきたんです。」
「密室…ね」
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