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まほろばマボロシ~仮初めの結婚~
第8章 踏み出す一歩の道
優しい…?
いつも目をみて…
声をかけてくれる
ご飯も食べてくれた
それと同時にきゅぅっと胸が熱くなる。
「なんで…?」
さっき別れたばかり…
ましてやここは結翔の家…
至る所に結翔の痕跡はある。
なのに…
「まだ1回も触れてないよ…」
そう呟いた。
リビングにずっと置き去りになっている婚姻届。
「書かなきゃ…」
しかしペンを持つも…
…
……
進まない。
嫌じゃない…
と、思う。
「ハァ…」
膝を抱えてうつむいていた。