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いとかなし
第10章 いろみえで うつろうものは よのなかの
隆起した胸筋に小粒の乳首がつんと乗っている姿は、なんだか可愛くも見える。

キレイに割れたシックスパックは芸術品さながらだ。

なぞるように糸の手が下へと下がっていく。

くっと息を呑んで糸の手と視線が止まる。

その先にあるのは、獰猛な啓司のそれ。

躊躇う糸の手をとって淫幹を掴ませる。

「シて?こうやって」

手を重ねて握る程の力で扱くと、啓司の息遣いが荒くなっていく。

息遣いに比例して、鈴口からは透明な液が玉を作る。

「…っく…はっ…」

艶かしい啓司の声に糸の心臓も煽られる。

苦悶の表情を浮かべる啓司の脚の間に糸がしゃがむ。

そして、目を閉じて顎を上げている啓司を見つめて、そっと舌を寄せた。

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