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いとかなし
第10章 いろみえで うつろうものは よのなかの
「い、とっ」

糸の肩をぐっと押すと、唾液まみれの陰茎が糸の口から抜き出る。

不安げな表情を浮かべる糸をぎゅっと抱き締めた。

「すげぇ気持ちいいけど、イくのは糸の中がいい」

耳元で囁いて、コツンと額を合わせる。

「…ンンッ…」

啓司の指が泥濘ん蜜園を捉える。

ぐぷっと指が飲み込まれる。

「とろとろだ、咥えて濡らすなんて糸はヤラシイ子だね」

「ぅ…ンッ…はぁ…」

頭を振って否定する糸。

「この音が聞こえないなんて言わせない」

二本の指が中を縦横無尽に搔き回す。

「やっ、あっ、ああっんっ」

「いや?本当に?」

「んっ、はっ…ああっんっ…あっ、ああっ…」

啓司の指が糸のイイ所を攻めてくる。

「糸、好きだよ」

甘い言葉に反して指の動きは激しい。
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