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いとかなし
第14章 おもいねに わがこころから
「そっか…心配ですよね、俺も去年実家で飼ってた猫が死んで…あ…」
禁句の言葉を零したことに慌てて口に手を当てる賢都。
「ううん、いいから」
「…老衰だったんですけど、まだあっちにいたから死ぬ間際に会えなくて…懐く猫じゃなかったんですけど、やっぱり居なくなると寂しい」
「うん…」
「でも、老衰だったんで苦しむ事は無かったのが救いかな」
ふゆも老衰だろう。
「糸さん、きっとふゆは糸さんにお別れを言わせてくれますよ」
にこっと笑ってみせる賢都に心が和む。
チェックの終わった資料をコピーして纏め、あとはプレゼンに臨むだけだ。
「絶対取りますよ!そしたらご飯に行こうね!」
頼もしい賢都に、糸は大きく頷いた。
「鴻上さん、携帯鳴ってるよ?」
同僚がそう言って糸を呼んだ。
禁句の言葉を零したことに慌てて口に手を当てる賢都。
「ううん、いいから」
「…老衰だったんですけど、まだあっちにいたから死ぬ間際に会えなくて…懐く猫じゃなかったんですけど、やっぱり居なくなると寂しい」
「うん…」
「でも、老衰だったんで苦しむ事は無かったのが救いかな」
ふゆも老衰だろう。
「糸さん、きっとふゆは糸さんにお別れを言わせてくれますよ」
にこっと笑ってみせる賢都に心が和む。
チェックの終わった資料をコピーして纏め、あとはプレゼンに臨むだけだ。
「絶対取りますよ!そしたらご飯に行こうね!」
頼もしい賢都に、糸は大きく頷いた。
「鴻上さん、携帯鳴ってるよ?」
同僚がそう言って糸を呼んだ。