この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いとかなし
第15章 ゆうづきし おおいなせそくも
「酔ってるよね?そのまま酔ってて、俺、最低な男だから」
「…ぇ…ンッ…」
人目から覆うように賢都の唇が糸の言葉に覆い被さった。
「賢…都…」
「電車、来ましたよ」
すし詰とまではいかないが、身動きの取りづらい程混んだ車内で、糸は賢都と向き合う形で密着していた。
今起きたことがうまく飲み込めない。
キス?
事故?
電車が揺れるたびに賢都の吐息が耳を掠める。
自分だけが意識している気がして俯いた。
鞄の中でスマホが震えているが、この状況ではとても取れそうにない。
駅に着いても、賢都は糸の横を歩く。
「賢都くん、あの、本当にもうここでいいから」
改札を前にして、人波から外れると糸は賢都に向き直った。
「…ぇ…ンッ…」
人目から覆うように賢都の唇が糸の言葉に覆い被さった。
「賢…都…」
「電車、来ましたよ」
すし詰とまではいかないが、身動きの取りづらい程混んだ車内で、糸は賢都と向き合う形で密着していた。
今起きたことがうまく飲み込めない。
キス?
事故?
電車が揺れるたびに賢都の吐息が耳を掠める。
自分だけが意識している気がして俯いた。
鞄の中でスマホが震えているが、この状況ではとても取れそうにない。
駅に着いても、賢都は糸の横を歩く。
「賢都くん、あの、本当にもうここでいいから」
改札を前にして、人波から外れると糸は賢都に向き直った。