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いとかなし
第15章 ゆうづきし おおいなせそくも
「ちょっとごめんね」
糸は席を離れ、スマホを開いた。
『夜更かし中』
メールが来たのはほんの5分前だった。
「賢都くん、私終電があるからお先に…」
「送ります」
時間を気にしながら店を出ると、賢都は手を握った。
その意図を確認するよりも足早に駅へと向かう。
駅は人で溢れていた。
「賢都くん、私ここで大丈夫だから」
「ダメです、ちゃんと送ります」
「でも、賢都くんも終電が」
「俺は会社から今回のプレゼンでタクシーチケット貰ってますから」
電車を待つ間も手は握られたままだ。
「あ、の、賢都くん…その…手…」
「嫌ですか?」
「嫌じゃないけど…」
今更酔いが回って来て、ふわふわとした心地に思考が揺らめく。
糸は席を離れ、スマホを開いた。
『夜更かし中』
メールが来たのはほんの5分前だった。
「賢都くん、私終電があるからお先に…」
「送ります」
時間を気にしながら店を出ると、賢都は手を握った。
その意図を確認するよりも足早に駅へと向かう。
駅は人で溢れていた。
「賢都くん、私ここで大丈夫だから」
「ダメです、ちゃんと送ります」
「でも、賢都くんも終電が」
「俺は会社から今回のプレゼンでタクシーチケット貰ってますから」
電車を待つ間も手は握られたままだ。
「あ、の、賢都くん…その…手…」
「嫌ですか?」
「嫌じゃないけど…」
今更酔いが回って来て、ふわふわとした心地に思考が揺らめく。