この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いとかなし
第16章 あをまつと きみがぬれけん
「今更?」
思いがけない台詞に、糸はぽたぽたと堪えきれない涙を零した。
「嫌?」
否定したいのに言葉が出てこない。
「嫌じゃな…ぃっ…」
家に戻ると、啓司はそのまま糸を自分の部屋へと引き込んだ。
「ここで寝て」
初めて入る啓司の部屋。
山積みになっている文献の数々と、セミダブルのベッドがあった。
「で、も…」
「ちょっと目を離すとふらふらするから、不安なんだ」
「え?」
「…誰を想ってもいいけど、最後は俺にして」
啓司がベッドの端に座ると、ベッドは僅かに軋んだ。
「…他の男に触れられてんじゃねぇよ」
唇を尖らす啓司。
「糸は隙があり過ぎ!危なかしくて…本当…苛つく」
ぐしゃと頭を抱えた啓司に、糸は抱きついた。
思いがけない台詞に、糸はぽたぽたと堪えきれない涙を零した。
「嫌?」
否定したいのに言葉が出てこない。
「嫌じゃな…ぃっ…」
家に戻ると、啓司はそのまま糸を自分の部屋へと引き込んだ。
「ここで寝て」
初めて入る啓司の部屋。
山積みになっている文献の数々と、セミダブルのベッドがあった。
「で、も…」
「ちょっと目を離すとふらふらするから、不安なんだ」
「え?」
「…誰を想ってもいいけど、最後は俺にして」
啓司がベッドの端に座ると、ベッドは僅かに軋んだ。
「…他の男に触れられてんじゃねぇよ」
唇を尖らす啓司。
「糸は隙があり過ぎ!危なかしくて…本当…苛つく」
ぐしゃと頭を抱えた啓司に、糸は抱きついた。