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いとかなし
第17章 まよいそめし ちぎりおもうが
「ごめんなさいっ…」
声が震えてしまう。
「…あいつがいい…?」
そっと腕を外す啓司。
「糸が…ああいう強引なのが好きなんて知らなかった」
ああいう…賢都とのキスを、一連の行為を見ていたのだろう。
何処からどこまでなんて、確かめたくない。
「いいよ、しばらく…距離を置こう」
ずっと入れて貰えなかった啓司の部屋。
やっとそこへ入れたのに、告げられたのは残酷なものだった。
「此処で…寝るのに?」
涙など鬱陶しいものだ。
心とは裏腹に溢れていく涙なんて。
「…もう、寝よう」
啓司は布団をめくり、糸は引き込まれるまま啓司の腕の中にすっぽりと嵌った。
猫のように丸まって、こんなに側にいるのに、こんなに離れた夜に目を閉じた。
声が震えてしまう。
「…あいつがいい…?」
そっと腕を外す啓司。
「糸が…ああいう強引なのが好きなんて知らなかった」
ああいう…賢都とのキスを、一連の行為を見ていたのだろう。
何処からどこまでなんて、確かめたくない。
「いいよ、しばらく…距離を置こう」
ずっと入れて貰えなかった啓司の部屋。
やっとそこへ入れたのに、告げられたのは残酷なものだった。
「此処で…寝るのに?」
涙など鬱陶しいものだ。
心とは裏腹に溢れていく涙なんて。
「…もう、寝よう」
啓司は布団をめくり、糸は引き込まれるまま啓司の腕の中にすっぽりと嵌った。
猫のように丸まって、こんなに側にいるのに、こんなに離れた夜に目を閉じた。