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第1章 などみをつくし 思いそめけむ

火曜日、燃えるゴミを最寄りのゴミステーションに出して出勤する。

出かけ間際にはまだ寝ていた、付き合ってもう直ぐ１年になる彼氏の荻野歩（おぎの あゆむ）にメールだけ送っておいた。

”今日は残業予定だから、夕食は外で済ませます”

美容師の歩は今日は振替休日らしく、昨夜は飲み会で午前様だった。



歩と出会ったのも飲み会だった。

短大時代の友達の繋がりで、おしゃれで面白い歩とLINEを交換した。

仕事柄誰にでも…と最初は警戒していたけれど、歩のマメさにいつしか連絡を待つ様になり、仕事終わりのデートをすること数回めで歩からの告白された。

時間を埋める様に歩の部屋で同棲を始めたのが３ヶ月前。

新婚まがいの生活はまだまだキラキラしていて、ご飯を作ったり洗濯をしたりと甲斐甲斐しく世話をするのも、彼女の特権の様で苦にはならなかった。