この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いとかなし
第8章 いろならば いづれかいかに
告白されたあの時と同じように啓司の膝の上に、でも今は糸は横向きで座る。
「これ食べた?」
「まだ」
啓司は甲斐甲斐しく糸の口元へ料理を運ぶ。
「啓司さんも食べてる?」
「うん、食べるよ、あとでね」
「え?」
デザートを持ってきた時も、お膳を下げる時も啓司は離れることを許さなかった。
「啓司さ…あの…恥ずかし…」
顔を両手で覆う糸の耳元に唇を寄せる。
「じゃあ、もっと恥ずかしいことしにいく?」
甘い囁きに糸は真っ赤になって、それでも小さく頷いた。
二人分の重さにギシッと音を立てるベッド。
畳に布団のあの家ではこの至福は味わえない。
「あ、の、電気…」
「うん、でもここだけは譲らないから」
メインの電気を落として、ベッドサイドの灯りだけがぼんやりと灯された。
「これ食べた?」
「まだ」
啓司は甲斐甲斐しく糸の口元へ料理を運ぶ。
「啓司さんも食べてる?」
「うん、食べるよ、あとでね」
「え?」
デザートを持ってきた時も、お膳を下げる時も啓司は離れることを許さなかった。
「啓司さ…あの…恥ずかし…」
顔を両手で覆う糸の耳元に唇を寄せる。
「じゃあ、もっと恥ずかしいことしにいく?」
甘い囁きに糸は真っ赤になって、それでも小さく頷いた。
二人分の重さにギシッと音を立てるベッド。
畳に布団のあの家ではこの至福は味わえない。
「あ、の、電気…」
「うん、でもここだけは譲らないから」
メインの電気を落として、ベッドサイドの灯りだけがぼんやりと灯された。