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kiss
第1章 kiss
やっぱり甘いの食べられないんだ。
ショックを受けて、顔を逸らす。
「先生が食べてくれないんなら要りませんよ」
だが、顎に手をかけられ、唇に押し込まれた。
パキリと口内で砕けたチョコからウイスキーが染み出す。
飲み込めずにいると、類沢が舌を差し入れてきた。
「…ふ…ッ」
熱い舌の上でチョコが溶ける。
ゴク。
喉に流れていく酒に脳が犯されていく。
飲みたくないのに、止まらない。
身をよじって逃げようとするが、いつの間にか両手を封じられていた。
「はッッ……ぁ…」
呼吸をするたび甘くて苦い香りに体が溶かされる。
熱い。
体が熱い。
太腿を摺り合わせると、類沢の手がそこをなぞった。
緩い快感に腰が揺れる。
「んん……ッ」
やっと唇が離れた時、ハァハァと貪欲に息を吸うしかなかった。
唾液と甘い酒が混ざり、顎を伝って首に垂れる。
「美味しかった?」
類沢がそれを掬い、見せ付けるように舐め上げる。
「ハァ……ッ酔いそ……」
不覚にも、熱さに体の中心が高ぶっているのを感じた。
組み敷かれた状態では、触ることも出来ない。
「もう一つあげる」
「やだッッ……も…無理…」
類沢は軽くチョコをくわえて、俺の口に入れた。
押し返したくても、舌に力が入らない。
ますます思考がぼやけて、なすがままに飲み込んだ。
「瑞希はお酒に弱いね」
胸に手を置かれ、早まる心臓の振動が伝わる。
「……じ……」
呂律が回らない俺の口に類沢が耳を近づける。
「いじ……わ、る」
「そう言われると燃えるよ?」
このサディスト。
俺は自分の買ったチョコを恨んだ。
こんなに度数が強いなんて聞いてない。
くたりとした俺の体を持ち上げ、類沢は寝室に運んだ。
ベッドに横たわり、冷たいシーツを求めて脚を絡ませる。
熱い。
ひょっとして、あのチョコには媚薬でも入っていたんじゃないだろうか。
そう疑わしくなるほど、熱が高まって仕方がない。
シーツを握り締める。
瞬間、ここでの行為が鮮明に蘇り更に熱が上がる。
ズズと足がもう一方を擦る。
「布団に犯されてるみたいだね」
類沢が愉快気に囁くのを睨みつけるが、どうしようもなくなって、指を噛む。
「せ……んせ」
涙目で縋る。
「……たすけて」