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私を見て
第3章 宮殿
人生ってこんなに何が起きるかわからないものだったかしら。
私の記憶、というか、寝惚けてなければ…
私は温泉じゃなくて砂漠に居たはず。
今は。
温泉じゃないけど。お湯の中、というかお風呂?
良い匂いのするお花がたくさん浮いていて。
そこに金髪の綺麗なお姉さんが居て。
何かを飲んで居て。
目が覚めたらお風呂って、よくわからない。
「よく寝てたな」
声はお姉さんからで。
なんで日本語を話すんだろう。
ここは日本何だろうか。
「残念だが、それは違う」
「声に出さなくともわかる。ここはお前が居た場所ではない。
私の名はエスト。この地の未来の女王だ。
特技は今、見ているだろう?
心を見ることだ」
パチャンと水の跳ねる音に私の喉はコクりと鳴り、それはまるで返事のようだった。
「茉莉(まつり)という名か。なぜ、その名を呼んだ男は居ない?いつまで待つ気だった?」
「止めて!」
思いの外大きく出た声に、自分が一番驚く。
「言わないで…言わないで」
頬を伝った水が口に入る。
仄かに塩辛い味に泣いていると気付かせる。
泣く程のこと?
待ち合わせに居なかったから?
私の本音は??
「茉莉、あまり意識を閉じ込めるな。気持ちは開放してやれ。
この地はお前を苦しめるぞ」
未来の女王のその言葉は、私の心に。
小さなトゲを刺した。
私の記憶、というか、寝惚けてなければ…
私は温泉じゃなくて砂漠に居たはず。
今は。
温泉じゃないけど。お湯の中、というかお風呂?
良い匂いのするお花がたくさん浮いていて。
そこに金髪の綺麗なお姉さんが居て。
何かを飲んで居て。
目が覚めたらお風呂って、よくわからない。
「よく寝てたな」
声はお姉さんからで。
なんで日本語を話すんだろう。
ここは日本何だろうか。
「残念だが、それは違う」
「声に出さなくともわかる。ここはお前が居た場所ではない。
私の名はエスト。この地の未来の女王だ。
特技は今、見ているだろう?
心を見ることだ」
パチャンと水の跳ねる音に私の喉はコクりと鳴り、それはまるで返事のようだった。
「茉莉(まつり)という名か。なぜ、その名を呼んだ男は居ない?いつまで待つ気だった?」
「止めて!」
思いの外大きく出た声に、自分が一番驚く。
「言わないで…言わないで」
頬を伝った水が口に入る。
仄かに塩辛い味に泣いていると気付かせる。
泣く程のこと?
待ち合わせに居なかったから?
私の本音は??
「茉莉、あまり意識を閉じ込めるな。気持ちは開放してやれ。
この地はお前を苦しめるぞ」
未来の女王のその言葉は、私の心に。
小さなトゲを刺した。