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私を見て
第3章 宮殿
改めて用意された部屋はさっきより落ち着いた部屋だったけど、あの香りはそのままだった。
やっぱりこの部屋も真ん中にカーテンみたいなのがあって、普通に開けた。
いや、開けて閉めた。
心臓はうるさい位にバクバクと鳴り立てて。
それがまるでガキみたいで、自分に舌打ちする。
改めて開いたカーテンの中には長谷川が寝ていた。
「準備万端ってか…」
眠る長谷川の息は細く苦しそうだった。
「ごめん。起きたら叩いてくれても良いから。だから今度こそ俺を見て」
眠る長谷川に覆い被さって唇を寄せる。
反応は無いけど、そのまま頬を、首を、肩を鎖骨をと下がる。
少し強めに吸い付いた肩には赤い跡が残った。
跡をなぞりながら手を滑らすと、仰向けに寝てても消えてしまわない胸がある。
寝ている長谷川が裸にされているのを気付いてから、意識的に見ないようにしていた。
でも、限界だった。
いや、あんな話をされて意識しない方が無理だろう。
記憶に閉じ込められているのを救う方法は1つ。
縛られる記憶より、より強い身体への刺激だ。と