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真珠浪漫物語
第15章 Under The Rose
…昨日は気がついたらお姉様の寝台できちんと新しいネグリジェと下着で眠っていたわ…。

梨央は庭の大理石の噴水の縁に腰掛けながら、ぼんやり考えこむ。

…いつもそう。私の身体を綺麗にして、きちんと元通りにしてくださり、ご一緒に寝台で眠っているの…。
そして朝目覚めると…。

「おはよう、梨央。今日も可愛いわね…」
と私を覗きこんで、美しい笑顔でキスしてくださる。

…お姉様は優しい…。
私が気持ち良いことだけをしてくださり、嫌なことは一切なさらない。
欲しがると私が満たされて、気を失うまで与えてくださる。
だから…
昨日の今日なのに、もう…
お姉様を思うと身体が疼く…。

梨央はずきんと疼いた乳房をレースのブラウスの上からぎゅっと握りしめる。
はしたない自分が恥ずかしく、思わず梨央は紅潮した頬を、両手で押さえた。

…でも…だから、わからないことがある。

お姉様はどうして、それ以上求められないのだろう。
私はまだお姉様の裸を拝見したことがない。
お姉様が気持ちよくなられているところも…。

私が先に気を失ってしまうから?

…私はお姉様とひとつになりたいのに…。
お姉様にも気持ちよくなっていただきたいのに…。
なにより、お姉様ともっと深く繋がりたいのに…!

…でも…お姉様は違うのかしら…?
私とひとつになりたくはないのかしら…?
ふと不安がよぎった時…。

東屋の奥の鉄条柵の外から密やかな声が聞こえた。
どこかで聞いたような声…。

「…綾香!綾香!」
続いて小石かなにかを投げる音…。
小石は二階の窓にあたったようだ。
ほどなくして、窓が開けられる音…。
「…待ってて、千」
と、綾香の小さな声が聞こえた。

…お姉様…?
暫くすると、屋敷の中から綾香が現れた。
ブルーグレーのシルクのアフタヌーンドレスが美しい。
思わず、噴水の銅像に隠れる梨央。
綾香は足早に噴水の横を通り抜け、東屋の奥の鉄条柵の方に消えて行った。

梨央は立ち上がり、そっと綾香の後を尾ける。

鉄条柵の外側で待っていたのは、浅草カフェのバーテンダーで、長屋の隣人の千吉だった。
…千さんだわ…。
お姉様に何のご用かしら…。
梨央は東屋の陰に隠れて二人の様子を見守る。



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