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真珠浪漫物語
第2章 浅草オペラカフェ
…浅草は今日も猥雑な雰囲気に満ち溢れている。
芝居小屋や寄席、飲食店などがひしめく街並みの中にあるカフェ「浪漫」…。
煉瓦造りの雰囲気はなかなか欧州風ではあるが、小さな店だ。
店の前に一台の舶来の黒塗りの車が止まる。
運転手が恭しくドアを開け、中から降り立ったのは北白川梨央。
絹のオフホワイトのドレスに高価な真珠の首飾りをつけ、白い薔薇を飾ったつば広の帽子を被っている。
もの珍しそうに辺りを見渡す。
後から降りたった執事の月城が声をかける。
「…お嬢様、何もお嬢様自らいらっしゃらなくとも私が参りましたのに…」
「月城…。いいえ、今回ばかりは私が自分の目で確かめたかったのです。それに…」
辺りを見回す。
梨央の瞳が子供のようにキラキラと輝き出す。
「こんなところ、初めて…浅草ってすごいところね。人が賑やかで生き生きしていて…見たことがない物が溢れているわ」
梨央は無邪気に笑う。
ため息をつく月城。
しかし、愛しげに梨央を見つめる。
「さあ、まいりましょう」
梨央は月城を伴い、カフェの扉を開ける。
芝居小屋や寄席、飲食店などがひしめく街並みの中にあるカフェ「浪漫」…。
煉瓦造りの雰囲気はなかなか欧州風ではあるが、小さな店だ。
店の前に一台の舶来の黒塗りの車が止まる。
運転手が恭しくドアを開け、中から降り立ったのは北白川梨央。
絹のオフホワイトのドレスに高価な真珠の首飾りをつけ、白い薔薇を飾ったつば広の帽子を被っている。
もの珍しそうに辺りを見渡す。
後から降りたった執事の月城が声をかける。
「…お嬢様、何もお嬢様自らいらっしゃらなくとも私が参りましたのに…」
「月城…。いいえ、今回ばかりは私が自分の目で確かめたかったのです。それに…」
辺りを見回す。
梨央の瞳が子供のようにキラキラと輝き出す。
「こんなところ、初めて…浅草ってすごいところね。人が賑やかで生き生きしていて…見たことがない物が溢れているわ」
梨央は無邪気に笑う。
ため息をつく月城。
しかし、愛しげに梨央を見つめる。
「さあ、まいりましょう」
梨央は月城を伴い、カフェの扉を開ける。