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真珠浪漫物語
第9章 赤薔薇の伯爵令嬢
翌朝、梨央は優しく髪を撫でる指の感触で目覚めた。
瞼を開けると、綾香の美しい眼差しが笑っている。
「…おはよう、甘えん坊さん」
「…お姉様…あっ…!」
昨夜の自分の痴態が頭に鮮明に浮かび、梨央は身体がカッと熱くなる。
…私…お姉様に…どうしよう…!
梨央は思わず、両手で顔を覆う。
「…おはよう…ございます…」
「…?どうしたの?梨央…」
綾香が梨央の顔を覗き込む。
「…す、すみません…な、なんでもありません…」
「なんでもないなら顔を見せて?梨央…」
綾香の艶やかな声に抗えず、恐る恐る見上げる。
綾香の西洋人形のように整った美しい顔が想像以上に間近にあり
「…あっ…や…お姉様…」
梨央は恥ずかしさに身を竦め、シーツに潜り込む。
「…変な梨央…」
綾香の呆れたような声を聞きながら
…だって…昨夜…私…お姉様に不埒なことをして…自分で…あんなこと…
…やっぱり…お顔なんてまともに見られない!
梨央が一人悶々としていると、静かにドアをノックする音…。
「おはようございます、綾香様。…梨央様をご存じではありませんか?お部屋にいらっしゃらないのですが…」
ますみの当惑したような声がする。
…ばあやだわ!どうしよう!
「…だってさ。梨央ちゃん」
綾香が揶揄うような声とシーツを勢いよく捲り上げる。
「きゃっ…!」
綾香の寝台で縮こまっている梨央。
「…まあまあ…!梨央様…、まるで赤ちゃんみたいに…」
ますみの呆れた声を聞きながら梨央は慌てて、寝台から飛び降り小走りで部屋を横切り
「お部屋に戻るわ!…お姉様、失礼いたします!」
と顔も見ずに叫ぶように言うと慌てて部屋を出て行った。
綾香は可笑しそうに愛おしそうに笑う。
「可笑しな子」
ますみは苦笑しながら、乱れたシーツを直す。
「…綾香様とご一緒にお暮らしになられることが本当に嬉しくていらっしゃるのでしょう。あんなにお元気で楽しそうな梨央様を私は初めて拝見しました」
「…そう…」
「…梨央様はお小さい頃にお母様をお亡くされ、お父様は海外におられることも多く、お寂しい思いをされていたことと存じます。お身体も弱くていらしたので、お屋敷に閉じこもりがちで…ですから、綾香様にこちらにいらして頂き、私は本当に感謝しております」
優しく微笑むますみ。
「…梨央…」
可愛い私の妹…。
綾香は梨央への愛しさを更に募らせるのだった。
瞼を開けると、綾香の美しい眼差しが笑っている。
「…おはよう、甘えん坊さん」
「…お姉様…あっ…!」
昨夜の自分の痴態が頭に鮮明に浮かび、梨央は身体がカッと熱くなる。
…私…お姉様に…どうしよう…!
梨央は思わず、両手で顔を覆う。
「…おはよう…ございます…」
「…?どうしたの?梨央…」
綾香が梨央の顔を覗き込む。
「…す、すみません…な、なんでもありません…」
「なんでもないなら顔を見せて?梨央…」
綾香の艶やかな声に抗えず、恐る恐る見上げる。
綾香の西洋人形のように整った美しい顔が想像以上に間近にあり
「…あっ…や…お姉様…」
梨央は恥ずかしさに身を竦め、シーツに潜り込む。
「…変な梨央…」
綾香の呆れたような声を聞きながら
…だって…昨夜…私…お姉様に不埒なことをして…自分で…あんなこと…
…やっぱり…お顔なんてまともに見られない!
梨央が一人悶々としていると、静かにドアをノックする音…。
「おはようございます、綾香様。…梨央様をご存じではありませんか?お部屋にいらっしゃらないのですが…」
ますみの当惑したような声がする。
…ばあやだわ!どうしよう!
「…だってさ。梨央ちゃん」
綾香が揶揄うような声とシーツを勢いよく捲り上げる。
「きゃっ…!」
綾香の寝台で縮こまっている梨央。
「…まあまあ…!梨央様…、まるで赤ちゃんみたいに…」
ますみの呆れた声を聞きながら梨央は慌てて、寝台から飛び降り小走りで部屋を横切り
「お部屋に戻るわ!…お姉様、失礼いたします!」
と顔も見ずに叫ぶように言うと慌てて部屋を出て行った。
綾香は可笑しそうに愛おしそうに笑う。
「可笑しな子」
ますみは苦笑しながら、乱れたシーツを直す。
「…綾香様とご一緒にお暮らしになられることが本当に嬉しくていらっしゃるのでしょう。あんなにお元気で楽しそうな梨央様を私は初めて拝見しました」
「…そう…」
「…梨央様はお小さい頃にお母様をお亡くされ、お父様は海外におられることも多く、お寂しい思いをされていたことと存じます。お身体も弱くていらしたので、お屋敷に閉じこもりがちで…ですから、綾香様にこちらにいらして頂き、私は本当に感謝しております」
優しく微笑むますみ。
「…梨央…」
可愛い私の妹…。
綾香は梨央への愛しさを更に募らせるのだった。