この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
先輩じゃないとダメなんです
第2章 会う楽しみ、会えない悲しみ

ピコン
たくみ先輩:
〔改札でたとこでまってる〕
〔スタンプが送信されました。〕
携帯の通知をちらっとみて、
よし、と自分に気合を入れ直した。
ピピッとICカードをタッチして、まわりをキョロキョロ見渡した。
あれ?いない??
ただでさえ都会の人のとおおさにまいっていた。
急に不安に襲われた時だった。
「りーい。」
とっさに、後ろを振り向くと…
「先輩……!!」
ずっと会いたかったたくみ先輩がいた。
「ごめん迎え行けなくて。バイトのシフト急にはいらなきゃいけなくて。」
「小学生じゃないんですから大丈夫ですよ〜」
「身長は小学生…ってりいヒール履いてんのか!」
あっわかってくれた!という喜びを口に出しそうなのを抑え込み、えっへへ〜 と笑って見せた。
「制服とは雰囲気違うな。いつもより大人っぽくみえる。笑
でもチビはチビだな笑」
「一言余計です…!ちょっとがんばってみたんですよ??」
「りいはどんなでもかわいいよ」
と言い、頭をぽんぽんと叩かれた。
う〜、とほっぺを膨らませてみたら
「ほら行くぞ」
と言い指で頬をつつかれ
すっと左手を握られた。
すこしむくれたフリをしながらも、
私はその手をぎゅっと握り、幸せを噛み締めた。
そばに好きな人がいる喜びをただただ、感じていた。

