この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
先輩じゃないとダメなんです
第2章 会う楽しみ、会えない悲しみ

先輩の家は駅から歩いて5分ちょっとらしい。
普段は基本的に3つ上、大学4年生のお兄さんと住んでいるそうで、GWはちょうど彼女と旅行に行っているそう。
「どうせ別れて帰ってくるけどな」
とたくみ先輩は言う。彼女と旅行に行くとほぼ必ず別れるらしい。
「喰ったくせに、微妙だったとか言って文句の言い合いになるらしいぜ。めっちゃドSだから嫌われるんだろうな。」
たぶんやり過ぎなんだよなー、と呟きながらもお兄さんの事をを話す先輩は、こころなしか嬉しそうだ。
「たくみ先輩のお兄さんがそんななんて、想像できないです…」
ふっとそんな言葉がでた。
いい迄の話しだと先輩とお兄さんは随分と違う気がした。
「まぁな、反面教師って感じ?遊びすぎなんだよ」
「先輩も十分Sだとは思いますけどね」
「それはお前の反応が毎回面白いから。あとすぐ騙されるし。」
すぐ騙されるというのは何も反論出来なかった。
まだ出会った当初、誕生日をきいたら
〔11/31〕
とだけ送られてきて、何も疑問に思わずに
〔そうなんですね!覚えておきます!〕
と私は返した。
その後間髪いれずに送られてきた、11月のカレンダーのスクショを見て私ははじめ意味がわからなかった。
何気なく探すと、そこには31日なんてないではないか!!!!!
そう、11月は30日まで。
某アイスクリーム屋さんの日なんてなかったのだ。
他にも数々騙された経歴がある。
警戒しても普通にひっかかってしまう…。
なーんて懐かしくも他愛もない話しをしていたら、先輩の部屋の前までついていた。
急にこのあとのことを考えると、すこし緊張して身構える自分がいた。
すると先輩がそんな私を察したのか、
「俺はそんなすぐ喰わないから安心して」
と耳元で囁いた。
「別にそんなこと考えてないです!!!」
と慌てて返すと、ただにやにやしながら はいはい笑とあしらわれてしまった。

