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先輩じゃないとダメなんです
第2章 会う楽しみ、会えない悲しみ


先輩の家は駅から歩いて5分ちょっとらしい。


普段は基本的に3つ上、大学4年生のお兄さんと住んでいるそうで、GWはちょうど彼女と旅行に行っているそう。


「どうせ別れて帰ってくるけどな」


とたくみ先輩は言う。彼女と旅行に行くとほぼ必ず別れるらしい。


「喰ったくせに、微妙だったとか言って文句の言い合いになるらしいぜ。めっちゃドSだから嫌われるんだろうな。」


たぶんやり過ぎなんだよなー、と呟きながらもお兄さんの事をを話す先輩は、こころなしか嬉しそうだ。


「たくみ先輩のお兄さんがそんななんて、想像できないです…」


ふっとそんな言葉がでた。
いい迄の話しだと先輩とお兄さんは随分と違う気がした。


「まぁな、反面教師って感じ?遊びすぎなんだよ」


「先輩も十分Sだとは思いますけどね」


「それはお前の反応が毎回面白いから。あとすぐ騙されるし。」


すぐ騙されるというのは何も反論出来なかった。


まだ出会った当初、誕生日をきいたら

〔11/31〕

とだけ送られてきて、何も疑問に思わずに

〔そうなんですね!覚えておきます!〕

と私は返した。

その後間髪いれずに送られてきた、11月のカレンダーのスクショを見て私ははじめ意味がわからなかった。

何気なく探すと、そこには31日なんてないではないか!!!!!

そう、11月は30日まで。

某アイスクリーム屋さんの日なんてなかったのだ。


他にも数々騙された経歴がある。


警戒しても普通にひっかかってしまう…。


なーんて懐かしくも他愛もない話しをしていたら、先輩の部屋の前までついていた。


急にこのあとのことを考えると、すこし緊張して身構える自分がいた。


すると先輩がそんな私を察したのか、


「俺はそんなすぐ喰わないから安心して」


と耳元で囁いた。


「別にそんなこと考えてないです!!!」


と慌てて返すと、ただにやにやしながら はいはい笑とあしらわれてしまった。


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