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先輩じゃないとダメなんです
第2章 会う楽しみ、会えない悲しみ


「そっか」


………………。


え?


先輩はそう一言いい黙ってしまった。


相変わらず、先輩の肩にティッシュ程度の重さしか掛からないようにしながらも、寄りかかっている状況でいる。


こたえを間違えたのだろうか。


嫌われたのだろうか。


もうダメなのか…。


考え始めたら、
不安という名の狂人に殴り殺されそうになった。


そして、、


気づいたら頬を雫が伝うのを感じた。


(いまここで泣いちゃダメだ…。)


先輩にバレないよう拭おうとした時だった。


私が動かそうとした右手がうごかなくなる。


視界が数秒前より影になっていて、人を感じた。


私の右手の代わりに、先輩の手が頬を伝う雫を受け止めていた。


「ごめん。りい泣かせるとか情けなさすぎだよな。」



そう言ったと思うと、私は先輩の胸に抱きとめられていた。



「こんなことで嫉妬とかほんとごめん」


「…………嫉妬?」


「うん。兄貴は普通にさん付けとかなのに、俺はいつまで〔先輩〕なんだろうって。」


さっき聞かれた突然の質問の意味がやっとわかった。


「りい、よく歳の差が不安になるとか言ってるけど俺も同じだからね。普段会えないし余計に。」


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