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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第13章 違和感

風呂から出て、食器洗いをしている紗蘭を後ろから抱き締めた。
いつもと変わらない、紗蘭の華奢な体。
この体を俺以外の誰かも、こうして抱き締めているのだろうか?
そう思ったら、沸き起こってきた俺の独占欲。
紗蘭の後ろ髪を避けて、うなじを出すと、そこに自分の唇を付けた。
チュッ…。
紗蘭は気づいていない。
うなじに付けた俺のマーク。
見えない敵に、紗蘭は俺の物だとわからせる為に、俺はそれを付けたのかもしれない。
そいつがこれを、見るかはわからないけど、見たのであれば、紗蘭とそいつは、間違いなくそういう関係だ。
俺が感じたこのモヤモヤした嫌な気持ちを、そいつにも感じてもらおう。
紗蘭が不倫をしている証拠はまだない。
もしかしたら、俺の勘違いかもしれない。
紗蘭が油断して、何かボロを出すまで、俺は黙って見過ごす事にした。
きっと、このキスマークを見たら、相手も何かを仕掛けてくるに違いない。
何か決定的な物を見つけるまで、俺は紗蘭を注意深く観察する事にした。
何もなく、ただの俺の勘違いである事を祈りながら…。

