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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第15章 AM10時の光景

掃除の時間も早く終わり、14時半に同僚のパートさん達と、事務所を出た。
バックヤードを出ると、いつもの午後の回収中だったようで、アズがいつものように仕事をしていた。
掃除の後に明日の分の商品を売場に出したので、午後もダンボールはそれなりに多かった。
仕事中のアズに、同僚のパートさん達が、嬉しそうに声を掛ける。
「お兄さん、今日も頑張ってるわね。」
「いつ見てもイケメンよね。」
「ほんとほんと!ね?星野さんもそう思うでしょ?」
おばちゃん集団の勢いある言葉の攻撃に、退かれ気味だったアズが、私をチラッと見る。
優しく微笑むアズに、胸がキュンとなった。
「イケメンですよね。私もそう思います。」
「そうよね!誰が見てもイケメンだわ。」
私の言葉に納得したパートさん達が、イケメンを連呼する。
そんなパートさん達にも優しく微笑むアズ。
「ありがとうございます。あまり言われないから、嬉しいです。」
照れ臭そうにそう言って、アズがまたダンボールをパッカー車に入れる。
「じゃーね!頑張って!」
「はい!ありがとうございます!」
パッカー車の横を通る時に、アズが口を動かして私に何かを伝える。
パートさん達には気付かれないように、ゆっくり動いたアズの口。
あ、と、で、ね。

