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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第17章 来客

「で?何の用だ?結羽がわざわざ俺に会いに来たんだ。何かあったんだろ?」
「フッ。さすが、青音ね。勘がいいのね。」
さっきまでピリピリしていた二人の周りの空気が、和らいだ気がした。
「結音(ゆうと)がね、今入院してるのよ。」
「結音が?どうしたんだ?大丈夫なのか?」
何だか重要な話。
私が聞いていていいの?
そう思って、布団から顔を出してアズに囁く。
「ごめんなさい…。私居ない方がいいよね…?」
小さく話した私の声を結羽さんは、しっかりと聞いていたようで、私に向かって 優しく声を掛けてくれた。
「ごめんなさいね。まさかこんな最中に乗り込んじゃうなんてね。気にしないで、顔を出して貴女も聞いていて。私と青音はもう他人だから、貴女がそんなに気を使う必要はないから。」
「はい…。」
静かに返事をして、布団から顔を出すと、私とは正反対なキャリアウーマン的な、格好いい女性がそこにいた。
背が高くてスレンダーで、アズと同じような切れ長な涼し気な瞳。
凛としたその雰囲気に圧倒されてしまう。
綺麗な人…。
この人が、アズの奥様だったんだ…。
私とは全くタイプの違う人…。
私は掛け布団を体にかけて、顔だけだした状態で、その人を見つめていた。

