この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
PM2時〜パッカー車の恋人〜
第17章 来客

結羽さんが帰った部屋には、また静けさだけが戻ってきた。
アズは息子さんが書いた手紙を封も開けずにただ、見つめている。
何だかこの場にいてはいけない気がして、アズに声をかけた。
「アズ…先にキッチンで、ご飯作ってくるね!」
「サラ…気を使わせちゃって、ごめんね。」
「ううん。大丈夫だよ。お昼ご飯作って待ってるね。」
「ありがとう…。」
私は洋服を着てキッチンへ向かった。
今アズは、結音君からの手紙を読んでるはずだ。
息子という存在。
それはすごく大きな存在なんだと思う。
アズと結羽さんは、結音君という子どもによって、離婚しても繋がりがある。
私と涼には、子どもがいないから、離婚したら繋がりなんて何もなくなる。
本当に他人同士になっちゃうんだね…。
子どもの存在って、やっぱりすごいんだね…。
料理をしながらも、ずっと私の頭の中には、結羽さんの言葉がグルグル回っていた。
『私と青音はもう他人だけど、結音にとって貴方は、たった1人の父親なのよ。』

