この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
PM2時〜パッカー車の恋人〜
第20章 運命のイタズラ

「サラ…サラ!!」
強く強く抱き締められて、アズの存在を感じて、涙が溢れた。
「あっ。サラ、ごめん。強く抱き締めすぎたよね…。」
「クスッ。ううん…大丈夫だよ。」
体を離して今更、遠慮するアズを見て何だかおかしくなってしまった。
笑ったのは久しぶり。
何だか気持ちのモヤモヤが、晴れてきたようだった。
「アズ、なんでここにいるの?」
「結音の見舞いに来てたまたま、この病室を見つけたんだ。」
「息子さんに会えたの?」
「あぁ、もうすぐ退院するよ。」
「そう、良かった。」
アズが私の頬にそっと触れて、私を悲しそうに見つめる。
そんなアズの瞳から、キラリと涙が頬を伝う。
初めて見たアズの涙に、私の胸はドキンと音をたてた。
何で…アズが泣くの?
息子さんに会えて、幸せなはずなのに、何で?
アズ…?

