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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第25章 負けない思い

俺の家に着いて、サラと途中のコンビニで買った弁当を一緒に食べる。
外にいた時は、やたら周りを気にしていたサラだったが、家に入ると落ち着いたように、表情も柔らかくなった。
話を聞く時間は、いくらでもある。
俺はサラが話したいと思うまで、こちらからは切り出さずにいようと決めていた。
「お弁当なんて食べるの久しぶり。たまには、こうして手抜きもいいね。」
「そうだよ。俺と一緒になったら、たまにはこうして弁当とか、外食したりしよう。」
「……そうだね。」
「焦らずゆっくり進めばいいから。気にしないで。」
少し曇ったサラの表情に、俺も胸が痛む。
二人の未来を考えれば、本当なら嬉しくて幸せな事なのだけど、今はまだサラは既婚者で…。
俺とは違って、素直に未来を考えて楽しめる環境でない事はよくわかっているんだけど…。
不安なサラの気持ちを、少しでも軽くしてあげたくて、俺は箸を置くと、サラの後ろにまわって、サラを後ろから、抱き締めた。
「サラ…大丈夫。俺がいるから。俺が絶対サラを守るから。」
耳元で優しく囁くと、前に回した俺の手にサラの手が重なった。

