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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第29章 出された条件

リビングに戻った私達を、涼はどことなく寂し気な表情で見つめてた。

その瞳にずっと見つめられるのが辛くて、私は瞳をそらした。

今度は、涼の前にアズと私が座ると、正面からの涼の瞳に見つめられるのが辛くて、私は俯いたままでいた。

何だか涼を見るのが、辛いな…。

そんな私を気にして、アズがテーブルの下で私の手をギュッと握った。

涼にはわからないように。

まるで二人だけの秘密とでも言うように。

何だか、繋いだ手から伝わるアズの温もりに安心する。

戸惑う私とは逆に、アズは真っ直ぐに涼を見つめて、口を開いた。


「星野さん、あなたの条件をのみます。俺は、星野さんもサラさんも信じているから、二人共傷付けずに出来れば、サラさんと一緒にいたいので。あなたの条件に従います。」


それを聞いた涼は、一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに微笑んで頷いた。

そしてアズにイタズラっぽく笑い言った。


「サラを連れて、そのまま帰って来ないかもしれないよ。俺は君が思うほど、いい奴ではない。」

「それでも、俺は星野さんを信じたい。今まで星野さんを苦しめていたんだから、裏切られても仕方ないですし。でも、あなたはちゃんと約束を守ってくれる人だと思います。」

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