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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第6章 初デート

車のドアに手を掛けると、アズに体を引っ張られた。
「サラ…。好きだよ…。」
静かに囁いたアズの唇は、そのまま私の唇に重なる。
私はアズの告白を聞こえなかったフリをして、そのままアズのキスを受け入れた。
唇が離れてからも、返事はせずに、またね。とだけ、アズに声を掛けて、車を降りる。
アズは、寂しそうに私に微笑むと、車を発進させた。
私はその場でアズの車が見えなくなるまで、見送る。
アズの車が見えなくなっても、私はしばらくその場を離れる事が出来なかった。
冷たい雨とは反対にアズの温かい唇の感触が残る唇を指でなぞる。
不倫なんていい事ない。
希ちゃんの言葉が頭に蘇る。
確かにそうだ。
アズに会うたびきっと、毎回こういう気持ちになる。
旦那さんもアズも、どちらも裏切っている自分。
この日私は、罪悪感という気持ちに襲われていた。
その反面、アズへの気持ちは今まで以上に増していった。

