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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第8章 動物園

「さてっ、今日は横浜出身同士という事で、横浜市民に有名な野毛山動物園でも行こうかと思うんだけど。どう?」
「野毛山動物園!懐かしいっ!幼稚園の遠足で行った!」
「だろっ?懐かしいよな。俺も幼稚園の遠足行ったもん。」
「あそこは、無料だからね。きっとだいたいの人が行ってるよね?」
さっきまであんなに、甘い雰囲気だったのを忘れて、地元トークで盛り上がる。
横浜市といっても広いんだけど、どうやら私とアズは区まで一緒だったようで、小学校が一緒じゃなかったのが、残念なくらいだ。
もしかしたら、どこかですでに出逢ってたかもしれない。
それが今こうして、互いに違う所に住んでいて、出逢えた奇跡。
人の出逢いってわからないなぁ。
もっと早くアズと出逢っていても、同じように恋に落ちたのかな?
そしたら、こんな秘密の恋じゃなくて、ちゃんと堂々と付き合えたのに…。
そんなマイナスな事を考えていた私に気付いたのか、アズが優しく語りかける。
「今だろうが昔だろうが、サラに出逢えた事に俺は感謝したいよ。だから、時間なんて関係ない。出逢えた奇跡を大事にしよう。」
「うん…ありがと。」
アズの手が私の手に重なって、そこからアズの温かさが伝わってきた。

