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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第8章 動物園

「今日はサラの笑顔がたくさん見れて、俺も嬉しいよ。サラの笑顔、俺好きなんだ。」
「……ありがとう。」
アズは何でこんなに嬉しい言葉をたくさんくれるんだろうか。
アズがくれる何気ない一言一言が、私の心の中に響いていく。
それは狙って言える言葉ではなくて、素直に出ている言葉。
だからこそ、心に響くのだと思う。
「さっ、行こうか。」
「うん。」
手を繋いでまた園内を巡る。
そんな私達の姿は、どう見ても恋人同士。
秘密の関係だなんて、わかる人は、ここには誰もいない。
そう普通の恋人同士。
邪魔される事もなく、人の目を気にする事なく、他の恋人達と同じように、過ごす事が出来るんだ。
本当は、非日常な状況なのに、こちらの方が当たり前の状況のようになっていた。
それほど、アズと私の距離は急速に縮まっていった。
もう止める事は、出来ない程に…。

