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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第10章 初めての嘘

「今日ね、少し残業をしたの。お店忙しくて疲れちゃって、帰ってから寝ちゃって…。それで、支度が遅れちゃったの。ごめんなさい。」
サラッと出た嘘に、自分でもビックリしてしまう。
初めてついた嘘は、意外にも罪悪感はなくて、簡単だった。
「そうか…。お疲れさま。体壊さないようにな。ま、家事もたまには、ゆっくり休めよ。」
私の嘘に涼は、何も疑う事もなく優しく応えた。
スーツを脱ぐ涼の後ろ姿を見ながら、私はホッと安堵する。
私が守りたいのは、この生活なの?
それともアズとの時間?
よくわからない…。
でも1つだけわかる事は、この生活を壊す事は出来ないという事。
涼は私を大切にしてくれている。
涼は何も悪くない。
だから、傷つけないように、決してバレないように、アズとの関係を続けていかなくちゃ。
アズにも迷惑をかけないように…。
「おまたせ。ご飯できたよ。」
「おっ!美味そう!」
「うふふっ。たくさん食べてね。」
涼の前で、いい奥さんでいる私。
アズの前で、甘える彼女の私。
どちらも同じ私。
だけど、私の中では全く違う私がいるように思えていた。
同じ顔、同じ姿をした別人。
そう思いたかった。
サラッと出た嘘に、自分でもビックリしてしまう。
初めてついた嘘は、意外にも罪悪感はなくて、簡単だった。
「そうか…。お疲れさま。体壊さないようにな。ま、家事もたまには、ゆっくり休めよ。」
私の嘘に涼は、何も疑う事もなく優しく応えた。
スーツを脱ぐ涼の後ろ姿を見ながら、私はホッと安堵する。
私が守りたいのは、この生活なの?
それともアズとの時間?
よくわからない…。
でも1つだけわかる事は、この生活を壊す事は出来ないという事。
涼は私を大切にしてくれている。
涼は何も悪くない。
だから、傷つけないように、決してバレないように、アズとの関係を続けていかなくちゃ。
アズにも迷惑をかけないように…。
「おまたせ。ご飯できたよ。」
「おっ!美味そう!」
「うふふっ。たくさん食べてね。」
涼の前で、いい奥さんでいる私。
アズの前で、甘える彼女の私。
どちらも同じ私。
だけど、私の中では全く違う私がいるように思えていた。
同じ顔、同じ姿をした別人。
そう思いたかった。

