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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第10章 初めての嘘

家に帰って真っ暗な部屋の電気をつけると、私はすぐに現実に戻される。
さっきまでのアズとの時間は、まるで夢だったように思えた。
早く、夕飯の支度しなくちゃ…。
アズとのんびりし過ぎたせいで、涼の帰宅時間まで少しの時間しかない。
いつものように、ゆったりとお風呂に入る事も出来ず、部屋着に着替えてそのまま夕飯の支度を始めた。
案の定、料理が出来上がる前に涼が帰って来た。
「ただいま。」
「あっ!お帰りなさい。」
キッチンを覗いて涼が怪訝そうな顔をする。
「料理出来てないなんて、珍しいな。化粧もそのままだし、風呂入ってないのか?」
明らかにいつもと違う私の様子に、涼が不思議そうな顔をしている。
「いつもより帰りは遅いのに、今まで何してたんだ?」
普段家事を完璧にこなしてる私だから、今日は明らかにおかしいと疑われるのは当然で…。
どうしよう…。
動揺したら、余計に怪しまれちゃう…。
とりあえず、落ち着かなきゃ…。
涼に気付かれないように、大きく深呼吸して、作り笑顔を浮かべ、涼の顔を見た。

