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3週間の情事
第2章 1日目
あれは――――
「本当よ! 今度日本に戻ってきた時に、紹介しますから!」
総務の『空森』さんだ。
見てくれからして真面目そうだし、目立つタイプではないけど、丁寧で正確な仕事をすると定評がある。
確か俺より先の入社だから、年上な筈。
『お見合い』どうと聞こえたけど、電話の相手は親御さんだろうか?
何はともあれ、微妙な雰囲気だ。
俺が居たことは知らない方が良いだろう。
そう思って忍び足で出て行こうとしたが――――
「嘘じゃありません! その方と結婚も考えています!」
『結婚』――――。
幸せの象徴のような言葉が、やたら悲痛に響いてきた。
真面目を絵に描いたような空森さんが、あんな必死になる相手って……
どんな男なのだろうか?