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3週間の情事
第3章 2日目
「えっと……俺、そんなに人気ないと思いますよ」
時たま耳に入る噂だが、単に尾ひれがついたデマだと思っている。
同性からみても、カッコ良い人は社内には沢山いるし、弄られているのかな程度にしか思っていない。
「そんなことないですよ。本当に山之内さんは……」
「お気遣いありがとうございます。それよりも、計画の打ち合わせといいますか……デートしましょう!」
俺の社内での評価よりも、先ずは空森さんの目的を達成することが優先だ。
「なっ!? デートですか?」
またしても空森さんは、目を大きく見開いて驚いている。
そんな空森さんの反応が、少し面白く感じてしまう。
「はい。俺たち『恋人』ですから……」
「ここここっ恋人……」
「はい」
空森さんの顔がトマトみたいに真っ赤になる。
何の運命に悪戯かは分からないけど――――
こうして俺たちの『3週間』が始まった。