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3週間の情事
第3章 2日目
「お母様にお会いする3時間だけというのは難しいと思うんです。多分、俺たちの嘘をお母様は気付かれるような気がするんです」
空森さんをここまで大事に育てた親御さんだ。
嘘がつけなさそうな空森さんの演技を簡単に見破るだろう。
だから――――
「本番までに予行練習しませんか? お母様にお会いする3週間後まで、恋人になり切りましょう!」
毒を喰らわば何とやらじゃないけど、どうせやるなら、土下座までした空森さんの願いを叶えたいと思った。
空森さんは俺の提案に、目を見開いて固まっている。
あれ?
ちょっと厚かましかったかな……。
「空森さん?」
「いいんでしょうか……。社内でも5本指に入る人気者の山之内さんに3週間も恋人の振りをして頂くなんて……」
さっきまであんなに必死だったのに、空森さんは唇を震わせて困惑し始めた。