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3週間の情事
第4章 3日目


水曜日――――


一応、形ばかりノー残業デーになっていて、この日は定時に上がる人が殆どだ。


営業の俺には、余り適用されないことが多いけど、今日は折角だから便乗することにした。


今夜は空森さんと、夕食を食べる約束をしておいた。


この計画の打ち合わせをするのが目的だけど……。


仮初の恋人約とはいえ、女性と食事するのに、残業もせずにいそいそ帰る自分に、ちょっと笑えてくる。


「何やってんだか俺……」



口元に笑みを浮かべて、デスクに鍵を掛ける。


「あれ~山之内、珍しくノー残業か?」



同僚の地田が声を掛けてきた。


見てくれからしてスポーツマンで、冬でも浅黒い肌が健康的に見える。



それでいて明るくてフレンドリーだから、気さくに話せる楽しい奴だ。



「あぁ、たまにはね」


指先で軽く持ち上げた鍵を見せて微笑むと、地田は肌とは真逆な白い歯を光らせると――――


「何も予定ないなら、久々に飲みにいかないか!」


ロックオンするかのように肩に手を回してきた。


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